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vol.1「コンシェルジュに聞く!起業のリアル」神谷ひろみ – コンシェルジュの現場から

今回は、財務・会計・経理の実務経験を元に、財務系パッケージソフトの活用支援で事業を行っている、

コンシェルジュの神谷ひろみさん(有限会社ノーマ代表)にお話を伺います。

神谷ひろみ氏

コンシェルジュ 神谷ひろみ氏

まず最初に、神谷さんの独立、起業には、どんなきっかけや経緯があったのですか?

私の場合は、最初から“起業しよう”という高い志があったわけではありません。前会社の前社長が会社設立3年目で会社をたたむと言ったので、そこで、私が自分の会社を作り、ユーザーを引き取る形で起業しました。起業など考えたことのないわりには、起業の決断はその日のうちにしました。そんなわけで、私の場合は、実は、ゼロから事業計画を立ててスタートしたケースではないんです。

その日のうちにパッとご決断できたのは、なぜでしょうか?

会社を設立してまだ2年ほどで「これからという時なのに、たたんでしまうのはもったいない!
これまでの苦労を無駄にしたくない。」という思いが、まずありました。また、その会社を設立した際に、設立にかかわる手続きなどを自分が担当したので知識や経験があり、その点での不安が無かったこともあります。

会社設立にあたって、一番の悩みや不安、苦労はどんなところにありましたか?

自分が人の上に立つ器ではないと思っていたのですが、一人で出来る仕事でなかったので、人を雇 用しなければなりませんでした。「人を雇用する」というのは、その方へのお給料を支払う責任を持つということなので、その点のプレッシャーや不安が一番きつかったですね。

経営の立場としてはある意味当たり前のことですが、実際に自分がその立場になると、身にしみるとういことですね。

はい・・・ほんとに。

会社設立から事業を軌道に乗せていくまで、必要な情報やアドバイスはどんな形で得られていましたか?

最近でこそ、ほとんどの情報をネットで調べることが出来ますが、私が起業した時代は、ネットなどありませんでしたから、とにかく自分で調べて確認して何とか進めていきました。思い出してみれば、けっこう孤独な状態でした。とは言え、会社を設立してから10年間ぐらいは、本当に忙しくて、休みもあまり無いような状態で仕事をしていたので、あれこれ考えている暇もありませんでしたが・・・(笑)。Startup Hub Tokyoのような相談できる施設があったら良かったのに、と思います。

神谷さんは、財務・経理のプロなので、コンシェルジュ相談でも、事業計画の数字についてご相談を受けることが多いですよね?

はい。事業計画の中の数値の作成について、ご相談を受けることが多いですね。具体的に言うと、損益計算書と資金繰り表の作成です。損益計算書、つまり収支計画を作るということは、融資を受けるためだけではなく、ご自身の事業が収益のあるものとして成り立つかどうかを検証する意味でも、重要な作業です。

コンシェルジュ 神谷ひろみ氏

例えば、どんなご相談がありますか?

たとえば日本政策金融公庫から創業借入れをしようと考えていらっしゃる方から、創業計画書の数値の部分の書き方のご相談をいただくことがあります。創業計画書に記載する数字は、きちんとした損益計算書と資金繰り表が出来ていれば、それを転記すればいいんです。
言い方を変えれば、収支の計画を立てて損益計算書を作成し、資金繰り表を作成して、始めて自己資金がいくら必要か、借入がいくら必要なのかが、はっきりとわかるということです。
契約している税理士などがいらっしゃる場合は、一緒に考えてもらえるのかもしれませんが、創業を計画されている段階では、ほとんどの方は、まだ顧問税理士がいない状態のようです。何がいくらかかるという漠然としたイメージはありながら、損益計算書に具体的な数字として落としこめていないという方が多い。私は、その部分の作り方をアドバイスします。

明確な数字にすると、漠然とした不安も無くなりますね。

そうなんです。それに、損益計算書や資金繰り表の作り方をマスターすると、今後の経営でも、とっても役に立ちますよ。

具体的には、どんな形でご相談を進めることが多いですか?

まず、関係する費用を調査して、ご自身で数字を出してみていただきます。それを元にその数字が現実的なものか、漏れがないかなどを確認しながらブラッシュアップしていき、最終的にはどのぐらいの借り入れが必要なのかを明らかにするところまでアドバイスします。売上については、やはりご本人がしっかりと考える必要がありますので、考えていただいた上で、根拠が十分かどうかを確認するようにしています。

クリアになるまで、何度でもご相談に対応しますよ。

損益計算書や資金繰り表の適切なフォーマット等はありますか?

ネットなどでも利用可能なフォーマットはたくさんあります。ご本人がすでに作成している場合は、そのフォーマットを使いますが、私が使いやすさを考えて改良した損益計算書と資金繰り表のテンプレートを持っているので、必要な場合はそれを差し上げることもあります。

数字の計画というと、それだけで苦手意識を持ってしまっている方も多いようですが・・・

確かにそういう方、多いかもしれませんね。でも、ほとんどの場合「やったことが無い」だけ。理解して、実際にやってみれば、どなたにもできることなんですよ。業種によっては、数字の計画が立てづらい場合もあるかもしれませんが、たとえ仮定であっても、目標値としての計画を立てるべきだと思います。それを持つことによって、事業面での方向性や進めていくべきこともクリアになるからです。

神谷さんのご自身の経験も踏まえて、起業前や起業時に考えておいてほしいということがあれば、教えていただけますか?

数字を読める経営者になっていただきたいな、と思います。経理・財務は税理士さんなどにお任せするべき仕事、と考えていらっしゃる方が結構いらっしゃいます。でも、創業時に損益計算書などを、ある程度自力で作れるようにしておくと、数字に対する抵抗が無くなって、創業後の予算策定などがスムーズにできるようになりますし、節税対策にも役立ちます。

やはり、会社の数字は自分のものですから、自分が理解しておくことは重要ですね。その他には何かありますか?

コンシェルジュ 神谷ひろみ氏

はい。コンシェルジュ相談をお受けしていて感じるのは、自分のやりたいことや事業について「言葉にして口に出す」「人に話す」ということがとても重要だと感じています。ご相談でも、一緒に話すことによって、その方が改めて気づくこと、より具体的に納得されることもあって・・・
自分の状況を一歩進めるために大事なことだなあと実感しています。

神谷さんご自身が、起業されてよかったと感じている点はどんなことですか?

通勤ラッシュと時間的、場所的な束縛から解放された点でしょうか。全てに決定権がありますので、受ける仕事の優先度も自分の裁量で考えることができます。自分の判断で、物事を決めるのは大変な時もありますが、基本的には爽快です。

爽快!それはいいですね。責任のプレッシャーやご苦労があってこそ、そう感じられるのかもしれませんね。
最後に、もう1つ伺わせてください。神谷さんは独立起業されてから長く事業を継続されていますが、どんな心の持ちよう・・・というか、ポリシーを持っていらっしゃいますか?

私は、あまり物事を深く考えるタイプではないので、常に「何とかなるさ!」と思ってやってきました。起業から24年間、何とかなってきました。人様から裏切られるようなこともありましたが、“自分自身は絶対に裏切らない、絶対に逃げない”というポリシーは貫いてきたつもりです。

仕事を依頼する側としては、絶対の信頼と安心を持てます。神谷さんのそんな一貫したポリシーも、24年という事業継続を可能にしている1つの要素なのでしょうね。神谷さん、貴重なお話、どうもありがとうございました!

今回のインタビュー内容は動画でもご覧いただけます。

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