地域活性につながる事業をしたい。どのような点に留意すればいい?

コンシェルジュ通信では、スタハで実施しているコンシェルジュ起業相談の事例をもとに、少し発展的なトピックスをご紹介します。
9回目の担当は、桑名隆滋コンシェルジュです。

 

地域活性につながる事業を始めるときのポイントは?

Q:自分の出身地の産品を活用して、地域活性につながる事業をしたいのですが、どのような点に留意すればいいでしょうか?

A:地域活性は、シンプルに言うと「地域から出ていくお金を少なくし、地域に入ってくるお金を多くする」ことで実現できるものだと考えます。

地域には、活用されていない資源、資金や不動産が沢山あります。これらは活用されてこそ価値を生むのですが、今のままで生活に困っていないからとか、税金が不利になるからとかで、活用されることなく置かれています。資産の活用にはリスクが伴いますし、誰しも無謀なリスクは負いたくない。しかし、「リスクを負わないから衰退する」。これは地域経済でも世界経済でも共通の「道理」です。よく練られていて、地域に貢献する勝算のあるリスクなら、人は関心を持って資産を活用する。そういう事業で地域活性は進むのだと思います。

地域活性につながる事業の要諦を挙げてみます。

1.認識しておきたいこと

(1)何をやるかの前に「誰とやるか」を考える
地域にはさても面白い人がいます。驚くような才能・技能を持った人。リーダーシップがやたらに強い人。凄腕の農家、漁師、料理人、商売人が、得てしてメインストリートでない場所で、素晴らしい仕事をしています。彼らと貴方は、郷土をどうにかしたいという気持ちでは一致するはず。そういった人を知り、一緒に事業を構想する。これがスタートだと思います。

人を知るきっかけは?      
私の場合は、日曜市に出かけて農家の人と話す機会がありました。次に家を訪ねたら、大勢の人が集まってくれて、食べて飲んで、家に泊まっていけと言われて、嬉しい時間の内に多くの人と知り合えました。一次産業の人は土地に精通していますので、漁業の人と知り合うのもいいでしょう。老若男女の別なく、縁は異なもの味なものです。

 

(2)当地にあるもので済ませる
ある地方都市でファーマーズマーケットをやるのに、納屋のドラム缶をバーナーで焼き切って即席の肉焼グリルを作って遠来の客をもてなした農家がありました。事業に必要なものを地域外から調達するくらいなら、地域にあるものを工夫して間に合わせる。この発想が重要です。

  

(3)取引より分配を考える
既存のバリューチェーンに慣れ切っている我々には、何を誰から幾らで仕入れて、誰が加工し、誰が幾らで販売する。このような取引の連鎖で収益モデルを考える習慣があるかも知れません。しかし地域の場合は少し違います。地域は人間関係が濃密で、関係者が車座になって協議し、皆が何を持ち寄り、生まれた成果をどう分配するかを考えます。例えば屋台村をつくるのに、「うちは出店賃料をこれだけなら払える」「じゃあ家主の 改装費用はこのくらいに収めよう」といった具合。このように分け合う思考で収益モデルが作られます。

 

2.事業の難しさ

(1)濃密な人間関係
濃密な人間関係の中では、波紋も起き易い。共鳴もあれば反発もある。対立があれば、そこにこそ課題解決の糸口があると前向きに捉えて、事に臨んでいきましょう。

 

(2)お互いの関係を築くには、時間がかかる
利を説くところから入っていく事業ではありません。誰と事業をやるか、これを決めるには、知り合うための時間がかかります。急いては事を仕損じると肝に銘じ、全人格的対応で行くしかない!

 

3.必要な視点

(1)少量でもいい、理解者にモノを売る
不特定多数の人にモノを売るビジネスでは世界の大手には敵いません。その地域のことを知ってくれた人に、モノを売る。商売が「利幅×数量」だとすると、数量よりも利幅を重視すること。様々なコストが低いローカルならではの戦い方です。

 

(2)何かある
どんな衰退した地域でも、ユニークなものはある。見る人が見ると見えてくる。そう信じて地域にどっぷり浸かってみましょう。

 

公金の遺跡や墓標だらけの地域がある一方、店舗×経営者のベストマッチで、収益力のあるスモールビジネスを多く起こした地域もあります。今、地域を目指す人が増えています。引退後は地域に引っ越し、都会を若者に譲ろうという人もいます。スモールビジネスが輩出され、一世風靡のユニコーン企業をもいつか凌駕するローカルビジネスが生まれるのではと空想を膨らませています。

 

コンシェルジュ 桑名 隆滋

 

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